イケメン霊能少年の憂鬱

「あれがきこえないのか?
 死者たちの声が。
 オレを、オレを引きずり込もうとてる。
 ここは、悪霊の巣窟なんだ……」


オレは自分にしか聞こえてないのが
わかってながら、
もう混乱してどうしようもなかった。


「しっかりしてください!
 何も聞こえませんよ。
 動けますか?」


「足をつかまれてるんだ。
 ああ、引き込まれる!!!」


悪霊の叫びが大きくなり、
体ごと引きずり込まれていく。


オレは必死で見えないナツに手を伸ばした。


――ダメだ。ナツまで引きずり込んでしまう!