「お前さ、ただでさえ顔が女顔なのにさ……
その……中身も女みたいだから、ちょっと変装してんじゃねぇか、とか思ったりしちゃったわけ。」


…………マヂかよ!
何!?俺無意識に女だしてたわけ!?

ヤバい!バレたら退学??


「な、なわけないだろっ!
失礼なやつだな!
人が気にしてるのに。」


とりあえずごまかしてみた。

すると、青樹クンの顔はすぐに緩み、「当たり前だよなっ。悪りぃ(笑)」ってまた笑いだした。


「あっ、もうこんな時間じゃん。
今日は付き合ってくれてありがとな!………季智。」


季智…か。青樹クンにそう呼ばれたのは初めてかも。

青樹クンは「お前」か「葉月季智」ってフルネームだったし。


「あ、うん。またな。」


俺たちはあっさりと別れて各自家に帰った。

帰り道、青樹クンのことを考えた。
やっぱり、そのうちバレる気がする。
声だって、女にしては低いほうだけど、男に比べたらかなり高い。

性格だって言葉遣いだって、やっぱり自然と女がでる。


「いつまでもつのやら。」


ま、バレたらバレたでちょっと遠い高校行けばいっか。


俺はそんな簡単に纏めてしまった。