「季智クン!ありがとう!」
女の子は満面の笑みを見せた。
そのこたちの目は恋してる目で…。
柊兄弟が皆に好かれていることがよくわかる。
「いいな…。」
どうしてもそう、思ってしまう。
今、どんな姿をしてもやっぱり俺は…私は女の子。
恋人に憧れる…。
いけないことだとわかってる。
不景気で家計も楽じゃない。
そんな中で転勤で引っ越しやらなんやらでかなり大変…。
学費が半額と言うのは、親にとってはものすごく魅力的。
そんな願いをいっちゃいけないんだ…。
雲「キサチャン…。」
雲雀クンが心配そうにするが、女の子たちは気づかずに話を続けていた。
「それでですね!柊様たちにうちの別荘に来ていただきたく…。」
このこはお嬢様。
たまにいるらしい。
かっこいいし、お金持ちの柊兄弟を狙って(婚約者にしようと)
わざわざこの学校に通うお嬢様が。
別荘か…。いいな…。
ま、俺は東京に行きたいし無理だけど。

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