逆ハーレム☆意地悪王子と訳あり姫




♂狭哉♂


葉月希沙…


「狭哉君は可愛くもないとか!」


なんで…そっちを言ったのが俺だと…狭哉の方だとわかったんだ…?


ありえないだろう?普通…。

髪型も…顔も…身長も…体格も声も…

全てにおいて俺達はクローンのように一緒なんだ…

昔はそれが気味悪くて…
嫌だった。

だけど、親とか…透兄とかに見分けてもらえると本当に嬉しくて、

俺達はその満足感を得るためにわざわざ服や髪型も一緒にした。

でも…所詮は家族だけ…

他人は見分けれない。

それがまた、悲しかった。

そして今日…あいつが現れた。


「左が倖哉君で右が狭哉君でしょ?」


これほど嬉しいことはあるんだろうか…。

こんな女を他の奴に取られたくない…

男にも…女にも…

コイツは…俺たちだけのもんだ…


「面白いね…。
希沙…いや、季智…俺たちを楽しませろよ…。」


俺達の花のない日常に一輪の蕾が咲いた。