私が抱っこすると泣きやむ涼也。
そしてまた下ろすと泣き出す涼也。
凄く痛いだろうに私が抱っこすると泣きやむんだ。
この大きな瘤を早く冷やさないと…って、思いながらも何だか嬉しい気持ちもあった。
だって―――今まで涼也が私に抱っこをせがむなんて事は1度たりとも無かった事だったから。
抱っこして泣きやんでくれるなんて、やっぱり涼也はちゃんと私の事を、お母さんと認識していてくれてるんだ・・・って、私は信じた。
そして、涼也の瘤に優しくタオルに巻いたアイスノンをあてた。
私とぺんちゃんの焦りと興奮は、じきに冷めてそして涼也の大きな瘤も冷やし始めて15分程で、まぁよく見る位のほどよい瘤へとなっていた。
『瘤が小さくなったわぁ…大丈夫かねぇ…頭。』
私は心配しながら、ぺんちゃんに言った。
『頭を打って泣かんかったり、吐いたりせんかったらヤバいって言うけどねぇ』
完全にシラフになったぺんちゃんが言った。
私は悩みながらも、
『取り合えず涼也も落ち着いとるし見た感じは多分大丈夫そうだし明日、朝一で脳外科に行こうか』
ぺんちゃんは即答で、そうしようと言った。

