【連作】そらにかなでし〜平安朝禁断恋草紙⑤〜

そうして、二の君の、少しばかり、浮いた心持ちでいらっしゃるのを、この女房は、

「あら……」

と、小さくお笑いいたしまして、

「二の君様は、浮き雲のようですわね」

と、このように、ややも厳しく申し上げるのでした。