長女の真奈美は弘樹が望んだそれだった。 優れた頭脳に端整な顔立ち。 要領のよさあってか、怒らせることもなければ口答えすることもない。 ただ、頑固でプライドが異様に高かった。 弘樹は真奈美を自慢するには最高の作品だと思っていたが なんとなく苦手な娘だと感じていた。 子供のくせに、何もかも見透かしたような冷静さが弘樹を落ち着かなくさせるのだ。