そこで娘に言われて、王子は漸く思い出す。 「え、あ、あぁ…」 自分があの時憎しみに駆られて暴走してしまった時、王子は娘に確かに言った。 「“今みたいに 貴方が危ない目に遭えば、俺が盾になる…、 貴方がこれ以上悲しまないように、 俺が傍にいる…。” ……これは、何処まで有効なのかな…。」 目を見てこんな事を女の自分から聞くのは恥ずかしい。 だから、娘の視線は街の方で…。