ドンッ…!!!
「…っ!?」


━━━しかし銃の引き金を引く瞬間、王子が娘を突き飛ばした。




ドォォォンッ…!!!


宮殿の外に、再び銃声が響く。



「…っ!!王子っ…」


気づけば目の前で王子は撃たれていた。

娘は咄嗟に駆け寄り、床にゆっくり倒れ込みそうな王子を抱き抱える。



「……っ痛ぇ…っ…」


思わず王子もそんな言葉を、掠れた声で呻く。


……丁度兵士が姐御達を呼んできたらしく、銃声を聞いて駆け付ける。



「王子ーっ…!!!!」


しかし、床に倒れ込んでいる王子を娘が抱き抱えている姿を見て、姐御達は言葉を失う。

王子の脇腹から血が流れ落ちる。弾丸が貫通していた。



「っどうして…」


娘は傷口から溢れ出す血を見ながら呟く。

苦しげな顔をしながらも顔に笑みを浮かべ、王子は口を開いた。



「……っあの場で止めなかったら…、
貴方は刺していただろう…」



「そうじゃない…!!
どうして、庇ったりなんかしたのっ…」


それが一番辛かった娘は、強い口調で否定する。