辺りが薄暗くなってきて、待っていても。

もう来ないってわかったから。


部屋に戻ったわたしは、いつの間にか寝てしまっていて。


穏空が。

「みーたんママがごはんだよーって」

って呼びに来るまで、浅い眠りの中で。



夢を見たんだ。


日夏が住んでいた家の前に、知らない男の子が立っていて。


わたしに向かって。

『…心音…?久しぶり』

そう、微笑んだように見えた。


スラッと高い身長その人影が、またわたしに。

『…泣き虫は変わってないんじゃん』

って、バカにした。


だから。

『泣いてないもん』

そう答えたわたしに、その人は笑いかけた。


知らない顔なのに、どこか懐かしくて。



夢なら覚めないで…。