8月2日。


バタタッ…ボタタタッ…。


ビニールハウスを踊りながら打ち付ける雨音。


雨が降り止まぬ、ハウスの中で。



「…で?何でここにいるんだ…オレは…」


「トマトの観察…?」


久しぶりの雨に、渇いた土が潤いに満ちる。


あまりにも強い雨だから、畑の見回りを命じられた。


「ここは大丈夫だねー?」


「はいはい…」



畑の溝に雨水が溜まり、天から落ちてくる滴を跳ね返す。


わたしも日夏も、カッパと長靴を履いて、作物の間を練り歩く。



遠くに見える黄色と青の人影は、旭と準くん。

今日も2人は仲良く行動。


「…準にぃは別に旭のこと何とも思ってね~よ。ガキなんか相手にすっかよ!?」

そんな2人の姿を捉えた日夏は、そう言い捨てる。


「…そんなのわかんないじゃん!!」


「んじゃ~っ!賭けるか!?」

わたしに顔を合わせると。ニヤッと、目元を釣り上げる。