「普通、驚かない?あたしの存在を覚えていて、久しぶりに会ったら人間から猫になるなんて……。」 あたしだって、好きで猫になったんじゃないけどさ、やっぱ覚えているなら驚いてほしいよ。 じゃなきゃ、何か 『明日香』って存在が無くなりそうだもん。 「…ねぇ、聞いてんの?」 さっきから黒猫は黙りを決め込んで、一言も喋らない。