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咲之助が起こしにきてくれない朝が当たり前になったのはいつからだろう。




締め切ったカーテンを何度開けようとしたことか。

でも姿を見たら、きっとまた起こしに来てくれることを期待せずにはいられなくなるから。






カーテン越しに差し込む光を浴びて毎朝目覚めて。

そうやってやり過ごしてきたら、ようやく咲之助のいない生活に慣れてきた。






まだ少し胸は痛むけど。
一時に比べれば全然楽になった。





このままいけば、きっと忘れられる。
一人だったらダメだったと思うけど、観月がいてくれるし。




安ぎをくれる観月について行けば、たとえ記憶が薄れていったとしても、大丈夫な気がするんだ。






支えてくれる。
守ってくれる。

観月なら弱いあたしをそのまま受け止めてくれるから。

咲之助といる時よりも心は穏やかでいられるの。






だから、観月のことで心がいっぱいになる日も、そんなに遠くないと思う。







「観月、あたしを貴方でいっぱいにしてください」





今あたしたちは暗い部屋で二人きり。
窓際で向かい合う二つのシルエット。