俺の渾身の力を込めた寸勁は、核ミサイルの表面に衝撃を与える!

強烈な『勁』の波。

その波によって。

「……!」

ピシリ、と。

ミサイル表面に亀裂が走った。

それを確認して、俺はすぐに振り向き、走り出す!

「ふ…ふはははっ!ははははははっ!」

地面に縫い付けられて動けないまま、スカーフェイスが嘲笑した。

「今更怖気づいて逃げ出す気か!愚かな事だ!」

奴の言う通りだった。

亀裂の走った核ミサイルが爆発するまで、恐らく3分もないだろう。

その3分の間に、核爆発の圏外まで逃げる事は不可能だ。

俺は確実に爆発に巻き込まれる。

だけど、諦めない!

俺は最期まで足掻く。

本当に死ぬ直前の、最後の最後まで、俺は見苦しく足掻き続けてやる!