「お帰りなさいませ、お嬢様方」 低く響く、心地の良い声。 私たちの目の前に立った男の人……執事さんは、私より身長が20センチくらい高くて、少し長めの黒髪がサラサラ。 吸い込まれるような瞳に整った顔立ち。 その執事さんは私たちを席に案内した。 「都輝ちゃん、あっちゃん……」 執事さんが席から離れた時、私は2人に声をかけた。 「ん?」 「どうしたの?」 その声色から、2人はきっと、この執事さんを狙ってないんだと思って口を開いた。 「私……恋しちゃったかも」