むかつくことに、裕太は学年でも上位1桁の順位に入るほど頭が良い。 それに対してあたしはといえば、中の中、という感じ。 かなりの進学校だからレベルは高いので、一般的にはバカなレベルではないのだけれど。 …何で裕太は成績良いんだか。 「…ていうか、なんで急に?」 「……どうせ見たことないんだろーなって。」 「っ何、その“どうせ”って、」 「逃げてるんだろ?」 「……っ、」 図星。 多分今あたしの顔にはそう書いてあるんだろう。 …だってその通りだから。