「…果枝」
「ん、何?」
「…なんか、どこにも連れてってあげられなくてごめんね。」
「…別にそんなこと気にしなくていいのに」
そう言って、果枝は笑った。
…わかってる。
本当は、どこかに一緒に行くことを望んでいることを。
でも、俺はなかなか休みが取れなかった。
正確には、果枝の休みに合わせて休みを取ることが出来なかった。
…こういうとき、自分が果枝と同じ学生だったら、とよく考えていた。
考えても仕方のないことだし、果枝はそれを承知で一緒にいてくれるんだけど。
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