「……行って、しまいましたね…」 残された彼は、彼女が走って行った方向を見つめていた その視線の先には、人影の無い真っ直ぐな道が先の方までのびていた 「とっても良い子だったのに、二度と会えないのは悲しいものですね…」 いそいそと荷物を片付け、彼は、彼女と反対側の道を歩いてゆく その目に、悲しみの色を映したままで ポツリと呟いた彼の言葉は、誰にも届かずに……… _