【朱に染まる唇】

何故目の前が朱色に染まるのだろう
何故きみが倒れて逝く

 一発の銃声
 弾はきみの心の臓を
 貫いて

抱きしめた身体は
熱を失っていく

 倒れて逝く
 きみの身体は

 スローモーション
 走馬灯

 待って欲しい
 時よ止まれ

朱 朱 朱 アカ アカ アカ


 あかいろ ちいろ





熱を失った身体に
まだ熱を帯びるあかいろが
きみの唇
滴り落ちる


まだ逝かないでくれ



繋ぎとめる術を探すように
口付けを交わしたのは
まだきみが逝くのが怖かったからで



 (離したきみの唇は)
 (、朱色に染まっていたけれど)