【世界の最果て】

空に向けて撃ったピストルは
世界を白と黒の二つに分けた
憧れていたものは何処へと消えた?



幸せだった写真を引き裂いたあの日
夕暮れ、二羽のカラスが鳴く頃
[お前たちは愛し合っているのか]と
飛び立つ黒い影に問うてみた

応えない影に唇を噛んで
拳を握り締めた

世界に向けて撃ったピストルは
わたしを白と黒の二つに分けた
信じたものは何処へと消えた

空に向けて撃ったピストルは
世界を白と黒の二つに分けた
憧れていたものは何処へと消えた


黒く長い髪をハサミで切ったあの日
夕暮れ、恋人たちが抱き合う頃
[生きていて楽しいか]と
後ろに立つ黒い影に問われてみた

嘲笑うように笑みを返して
小さく笑った

きみに向けて撃ったピストルは
世界を白と黒の二つに分けた
想い描いたものは何処へと消えた

空に向けて撃ったピストルは
世界を白と黒の二つに分けた
憧れていたものは何処へと消えた


[愛されたい]と言葉にした弾丸は
わたしの心臓を貫いて
忘れていた愛しいものたちは
わたしの手をすり抜けた

荒野に一人
わたしは右手にピストルを空に向ける

空に向けて撃ったピストルは
世界を白と黒の二つに分けた
憧れていたものは何処へと消えた