【ゆめをみました。】

ゆめをみた。

ずぅっと前の記憶の欠片たち
わたしのカミサマが生きていたころ
蝶が生きていたころ

生きることをつまらないと言ったわたしを
叱って抱きしめた腕は
細く折れてしまいそうで
背中に手を回すことが出来なかった

14才の冬
わたしは大切な約束をした

「いきる」

どれほど重いものを背負ったとしても
蝶が許すまで生きなければならないと
それが蝶の最期の願いだったから


夢から覚めて
気付いたのは

わたしに感情が戻っていること

平穏と冷静の代わりに失ったものは
感情と興味でした

感情が戻っていることに
ちっ と舌打ちをした
波が訪れる

荒れる波が来る
ちくしょうと呟いた




ああ、これが人間か