【暗闇にて、交わした】

痛いくらいの雨の中


   さようなら



  呟いて 手を小さく振った




 (行かないでください。行かないでください。)




それは無理な願いだと知りながら







月明かりの下でわたしはずぶ濡れになって




  本当は手なんて振りたくなかった



  繋いだ手を離すなんて




   (置いていかないで。置いていかないで。)




届かない祈りだと知りながら







背中が見えなくなるまで

  ただ雨に濡れて濡れて


   涙 なんて見えないように。





背中が見えなくなった路地裏


 無様に照らす電柱に現実突きつけられて





  崩れ落ちて 泣き叫んだ。








 さようなら なんて



    言いたくはなかった。




   それが、あなたの夢の為だとしても



 (共に、歩みたかったのです)
 (、さようなら!夢を追って生きて。生きて。)