【告別、そして夢旅】


別れの時
棺に横たわるあなたの体

眠るように花の中に
埋もれるあなたの体

白い布を被せられたあなたの
表情は見えない

その布をそっとよけると
やっぱりあなたは眠っているよう

あなたは夢の中へ
深き遠き夢の中へ

旅立っていったのでしょう

その夢はきっと
あなたが夢見た世界で

あなたはきっと
その夢の中で笑いながら

空の青さと共に
風の香りと共に
桜の花弁と共に
雪の白さと共に

そっと、わたしの横を
駆け抜けてゆくのでしょう

燃えるあなたの体
灰になるあなたの体

その灰をひとすくい
海へ還す

あなたは夢の中へ
遠き深き夢の中へ

旅立っていったのでしょう

あなたが還りたがっていた
海の中へあなたを還す

あなたとわたしの別れ、告別
あなたの夢への旅立ち、夢旅



どうか、あなたの夢旅には
この世界の何よりも深い
幸多からんことを