【茨道】

茨の道を

女はひたすら裸足で歩く

黒い服は破れ

白い肌からは血が流れ

それでも女は茨の道を歩く

漆黒の翼からは羽が落ち

女が歩いた道にその羽を残していく

空は見えない

黒い薔薇の心臓から痛みが走っても

女は歩みを止めなかった



女は最期に

(ただ、人間になりたかっただけなのに)

そう呟いて歩みを止めた