【帰、または終焉】

何時か僕が帰る場所
水底に眠る失われた歴史の場所

一輪の花を優しい静かな社へ
餞として捧げよう

何時か僕が帰るときは
水底に眠るかつて栄えた歴史と

一輪の花と共に社のなかで
静かに眠り夢を見よう

捧げる花の色は白
水底へ堕ちてゆく僕は黒
その失われし祭壇は灰色に

この世界の終わりの鐘が鳴る刻まで
僕は水底で眠り
この世界の終わりの瞬間を視てから
また僕はその祭壇の中の社で
眠りにつく

深い深い水底の楽園
いつか僕が帰る場所