【きみとぼく】

 君は笑うんだね
 僕をそうして許すんだね

 僕は笑うんだね
 君をそうして許すんだね

 君は笑うんだね
 僕をそうして許さないんだね

 僕は笑うんだね
 君をそうして許さないんだね

 君と僕はそうやってお互いを求めて
 お互いを傷つけあうことで
 お互いを自分の半身として生きて生きて 生きてきた


 君はもう笑わない
 僕ももう笑わない

 でも僕は君を許すんだ
 でも僕は君を許さないんだ

 そして君は僕を許すんだ
 そして君は僕を許さないんだ

 それが君と僕の最期までの生き方で
 たとえばそれが無様であろうと
 君と僕はそんな生き方しか出来なくて 最期まで



 甘くて苦い 珈琲飴のように
 優しく悲しい 天使と悪魔のように
 好きと嫌いの 人間のように




 人形なのに人間のように生きるんだね