コンコン… …コンコン… 自分の部屋の窓を開けて、日向の部屋の窓を軽くたたいた。 …─ドキン ドキン…ッ いつもすぐに窓を開けて、 「ど─した?」 って、言ってくれるのに… どんどんせわしくなる心臓の動きとは裏腹に、 やっぱりやめておけばよかったと、心が悲鳴をあげている。 「……っ…」 ついに、あきらめて窓を閉めようとした、その時、 ガチャ 「…千幸?」 振り返ると、ずっと会いたかったその人が目の前にいた。