「…あれから会ってないって言ってたけど
ちゃんと気持ち伝えたのか? 」

「…バンド
やってる女の子でさ 」


「お  うん 」


「 同じバンド組んでた奴と付き合ってて
―― ずっと離れてたんだけど
最近再会して…って奴

話してもいないから、
くっついたかどうかは判らない」


「そんなのよ〜 一発位、殴って来いよ 」



「何よ …強気だな  意外と 」


「……だって
今更もし、淳がアキを〜とか言ったら
俺、相手が淳でも、殴るよ 」


―――― 西はポットを押し
即席味噌に湯を入れながら
俺の顔を真剣に見てそう言う





「――― かなりびっくりした 」


「…ちゃんとさ
アキが淳と、さ

…気にして無いわけじゃない
でも、気にしててもしょうがないからさ

アキが、やっぱりって
戻ってしまうなら、仕方ないけど
『ちゃんと捕まえとけ!!』って
真剣に好きだし、殴る位はする 」


「…… 西 」


「淳が、アキに心が無い事は
判ってたし
―― 俺も仲間内のノリとは言え
その場限りで遊んだ事沢山あるから
それは何も言えないし…

それに当時は俺も別に、
アキの事何とも思って無かったもの

むしろ煩いし、
皆で居ても、淳にしか気遣いしないし
あんまり好きじゃなかった

―― 好きになったのは
アキが淳に切られて、
相談受ける様になってから

…あんまり同情みたいで
良くない付き合い方だったかも
しれんけどさ 」