ガリーとあたし。

自転車をゆっくりと漕ぎ出して、他愛のない会話を交わす。

昼間は「もう夏ですよー」と言わんばかりの暑さだけれど、夕方のこの時間には太陽もお休みに入ろうとしていて、吹く風が涼しくて気持ちいい。

こんな時はのんびりと自転車を漕いで、いつもよりちょっとだけ遠回りして帰りたくなる。

せっかくだから三宅さんちの近くまでだらっと行こうかな、なんて考える。


「あのさ、ちーちゃん」


会話が途切れていたので、ぼんやりと夕日を眺めていると、三宅さんがちょっとだけ真面目な顔をして声をかけてきた。