わたしと海のまわりに
人だかりができてしまい、
なかなか二人になれない。


「よしっ葵!離すなよ!」



そういってわたしの手をとった海が
人混みから抜け出すように全力で走り出した。



「うみっ!はぁっはぁっ!うみっ....もぅだめ...」


「はぁはぁっ」



お互いに息を切らして
顔を見合わせると
なぜか笑ってしまった。



ふふっ。
きっと今、海とわたし心がひとつなんだろうな...