しーちゃんの指差す先に


海がいた。



終業式を終えて帰宅する群集に囲まれて
女の子たちはキャーキャーと騒いでいる。


わたしに気づいた海が
軽く手を振りながら近づいて来る。


「海、どうして?仕事は?」


「ちょっと予定より早く終わったから迎えにきた。明日オフで一日休みもらえたし、デートしてかえろうぜ。」



久しぶりの制服デートだ!

「うんっっ!!」


慌てて靴を履きかえると
海の元へ駆け寄った。



「しーちゃん!また電話する〜っ。」


振り向きざまにしーちゃんに声をかけると

「オッケー!」


と両手で丸を作って
合図してくれた。