―――…

「葵..めずらしいね?そんな物編んで。」



「ん。」



食事を済ませて
居間のソファーでマフラーの続きを編んでいると

ママが声をかけてきた。



「海星くんにあげるの?..そういえば最近めっきり顔を見ないけど元気にしてるのかしら。仕事、いそがしいのねぇ。あんた大事にしてあげなさいよ〜。」


何もしらないママは
海とわたしがまだ付き合ってると思ってるんだ。



過去のことを思いだして
また
気持ちが沈んじゃう。


マフラーを編んでる手元が
涙でぼやけて霞んだ。


海だったらきっと茶色を好むな...


デザインは長めのマフラーを2重巻きするのが似合うかな...