海がそういった瞬間
ボフッ..


わたしはいつの間にか大きくなった海の胸の中にすっぽり包まれていた。



「ちょっちょちょちょ///海っ!?」



ジタバタともがいてみるけど
海の力は思ったよりも強くて
ギュッと抱きしめられた腕をほどくことができない。



その腕はわたしがもがくほどより一層力が増す。



ドキン..ドキン...


「っ..苦しいよ、海っ」


わたしは抱きしめられた強さと
緊張との息苦しさに

海の胸元をどんって叩いた。



ドキン...ドキン..

いつもと違う海がなんだか知らない人のようで
怖かった。

だけど感じたことのない感覚に目眩がしそうで鼓動が激しくなる。