「ばっかじゃないの?」


茉巳ちゃんは、わたしの言葉に刺のある言い方で返す。


「俺さ、身軽より荷物背負ってた方がやる気でんだよね?だから茉巳ちゃんも俺のこと大変だなーって見ててよ。第一号のファンになってくれてありがとう。」


「..////誰がファンなんて言いました?自惚れないでください。」


初めてやさしく声をかける海に


俯いて声をふるわせながら茉巳ちゃんが答えた。

その目にはなんだかやさしい女の子の涙が見えた。



「バカップルには付き合ってられませんから。」


「あっちょっと?マミ?!待ってよ!」



涙を堪えて真っ赤になった茉巳ちゃんがその場を駆け出した。



ほんとはいい子なんだよね?
だけど海は誰にも譲れないんだ。



ごめんね。
こうして茉巳ちゃんのお陰でわたしたちは前に進みだした。