この人何で心配そうに私を見てるの?

 私・・・なんか変?


 「えっと、その聞いてますか?
  コレで涙拭いて良いですよ。」


 手渡された水色のハンカチ。

 そしてそれを差し出してくるのは
 私と同じ歳ぐらい。

 

 ぃや、でも…
 聞いてるけどなんでハンカチ?
 涙って、何のこと??


 『その、涙とか出てないし。
  私泣いてないもん・・・』




 心配そうに見ているこの人さえ、
 やっぱり怖いと思ってしまう―――。

 でも、、、

 
 「気づいてないんですか?
  夏希先輩、泣いてますよ?」



  そう言って、私の瞼を指でこする男。

  私、気づかないうちに泣いてたんだ。
  真樹ごときで泣くとかバカじゃん!



  ・・・・・ん?でも、

  今、この人“夏希先輩”って言ったよね。
  もしかして同じ学校の人?



  『私の名前・・・。』




  「ぁあ、さっき先輩と一緒にいた人が
   呼んでたから...」



   

   だよね。
   私のことなんて知ってるわけがない。
 
   会ったのだって
   今が初めてなんだから