ロックナンバーを変えて、完全にロックした涼は、



「シャワー浴びてくるね、梓さん」



そう言って無防備に携帯を置いて行った。


絶対ロック解除してやる。


涼の背中に怒りの目線を送って、再び携帯電話を開く。




―――――どれくらい携帯電話とにらめっこしただろう…


たかが4桁の番号なのに、一向に解除される気配がない。

思い当たる番号は全部入れたのに、全く解除されないの。






どういう事?!






私が諦めかけた瞬間、いきなり手の中で携帯が震えだした。



ひゃぁぁっ!!



思わず手を離しそうになったよ。


私はディスプレーを見ると、




『ゆみこ』




と書かれた番号からの着信だった。

しかもご丁寧に、ハートの絵文字付きで。








誰よ、これ。






手が冷たくなっていくのを感じた。