『あれっ?ビール無くなっちゃいました~』
少し呂律が回らなくなり始めた静が、冷蔵庫の前で叫んでいた。
そろそろお開きかな?
って思っているそばから
『じゃあ、俺買ってきますよ』
って涼が言い始めるから、拍子抜けしてしまった。
まぁ、明日会社が休みだから良いんだけどさ。
静は申し訳無さそうに涼を送り出し、小さめの缶の酎ハイを持ってきた。
どうやら、これが最後の一杯だったんだろう。
ビールを片手にソファーで寛ぐ私の横に、静が酎ハイを持って座った。
あの……狭いんですが…
こんなに座る場所が有るのに、何でこんなにくっついて座るのよ。
静は酎ハイを一気に飲み干すと
『チーフ…』
と、呂律の回らない口調で呼びながら私を見た。

