励ます振りをして、 そっと美羽ちゃんの髪に 確かめるように触れた。 柔らかくてしなやかで。 絹のように細い髪に。 仕事が残っているように 彼女に見せるために、 別に今じゃなくてもいい 仕事に手を着けた。 視界の隅に、 彼女の一生懸命な姿が映る。 …それだけで俺には 良かったのかもしれない。 .