どこか頬が紅く、 視線が左右に揺れる。 理由はわかってる。 でも、今だけは、 知らない振りをしていたい。 「あの…」 言いにくそうに、 甘く切ない声が響く。 ついに来たか。 助手席にある、 準備万端の産休の書類に 視線が向いてしまう。 ちゃんと、 昨夜は話し合えたのか。 .