乱れた呼吸のまま、教室に入り、隆治を探した。


「あれぇ~直ちゃんどしたの?
そんなに呼吸乱して?」


「あの…大山君…」

「直ちゃん、おはよ。」


軽く上げた手には、包帯が巻かれていて、顔には絆創膏だらけで、口元には痣が有った。


それなのに、何とも無かったかの様に、笑って声をかけてきた。


「大山君…生徒指導室に…いらっしゃい…。」


「ほぉーい。んじゃ行ってくっから。」

須賀君達に、そう言って教室を出た。