「あ~…眠っ」

バッグを引きずるようにしながら、あたしは学校に向かう。

「昨日は、あのバカにっ」

邪魔されたし!
人が気持ち良く寝てたのにさ。

「夏、どしたの?」

友達の鈴が私の背中を叩いてやって来た。

「昨日さ、アホで変態なやつが隣に引っ越してきたの」

「あらあら、カッコイイ?」

「まっさか。ボサボサのメガネだったよ」

カッコイイとは程遠いって。
絶対、人形握りしめてハァハァしてるよ。

想像するだけで気分が悪くなる。

「残念。あ、夏。今日、朝会あるから急ぐよ」

「マジ?めんどー」

「新しい先生が来るって」

…一瞬、隣のやつの顔を思い出してしまった。