感染屍神

歩きながら、考えていた。


ゲームの中に心臓発作を引き起こす何らかの要因があるのだろうか?


ますます深みに嵌まっていく思考。



駄目だ駄目だ駄目だ!
考えても仕方ない。



今日の部活は思う存分走る、それで気分転換する、家に帰ったら音楽を聴きながら勉強して寝る。


そうだ、そうしよう、それがいい。



ふ、と教室の前を誰かが横切る。

茶色い長髪。


目は虚ろ。


一瞬田原かとも思ったが、もっと違う―いっそ禍禍しささえ感じる。



………誰だ?



彼女は口の端を吊り上げて笑う。




心底、恐怖した。





『邪魔を、しないで』
唇が、そう動いたような気がした。





そして、彼女は通り過ぎて行った。


その後ろ姿は、生徒の後ろ姿に紛れて消えた。