翼からの別れから10日。


あたしは希望とか夢とか、失い掛けていた。


でも、翼の事は全然忘れられなくて…。


仕事をしていても、ふと思い出す翼の事。


パソコンを打つ手が止まり、


「野田さん?」


心配してくれる南君が切ない表情であたしを見る。


「俺で良かったら…、相談して下さい。」


残業で余り社員が居なくなったオフィスで囁く。