急に離れたものだから、驚愕して早稀を見ると、向こうへ駆けていく後ろ姿が見えた。 「昴兄様!!」 そう言いながら駆けていく先には一人の男。 男は早稀を見つけると、途端に優しい笑みを浮かべ、早稀も華の様な煌びやかな笑顔を浮かべた。 「どうしてここに? 何時戻ってきたの!?」 「早稀、落ち着いて。 アメリカからは昨日帰って来たんだ。涼弥くんの婚約パーティーなのに僕が欠席するはずが無いだろう?」 早稀の華奢な腕を取って話している光景は、映画の中のワンシーンの様で、真斗は居心地の悪さを感じた。