(私の慕う月は、あなたばかりを照らしておりますのに……兄上は、少しもその光にはお気づきにならない……)

とも、

(むつきもとれぬうちからの兄妹の仲であれば、仕方のないことなのかもしれないけれど……)

とも、二の君は思われなさるのですが、それにつけても、かの姫がおかわいそうに思われて、深く息をおつきになるのでした。