さて、このように、二君の語らいも和やかに、お車はお進みになりまして、四条の大路にさしかかりますと、

「おや、気づかぬうちに、このようなところまで……」

と一の君がおっしゃるのをお受けになって、

「誰か先触れを立てませぬと」

と二の君もお答えになるのでした。