これには、一の君も、お膝を打って感心なさって、

「これでは、君に勝つ手はなさそうに思えるね」

と、こう、扇を広げて口元をおかくしになりますと、

「やはり、この兄も、そなたに碁では勝てぬね、二の君。父上でさえも、このごろは、君を相手にはご苦労なさると聞くくらいだもの」

そのようにおっしゃって、お笑いになるのでした。