さて、そのように、ご兄弟のお心はすれ違いのままに、この夜が明けて参りますと、二の君の打ち明けられたこの恋心を、一の君は、ご自身にお重ねになられて、なんとも歯がゆいお気持ちになられます。

そこで、久方ぶりにかの姫君をお訪ねになろうとお心に決められて、表向きには、乳母(めのと)をお訪ね申し上げるというかたちではございましたが、二の君も伴われてお行きになるのでした。