贔屓目線ではなく、本当に彼は絵に描いたような仕事人間であるからこそ。



キャンセルという珍しすぎるフレーズに、何を言おうか考えていると・・・




「たまには、2人きりでデートしよう?」


「ッ、うん…」


精悍な顔で見下げつつ嬉しい提案をされては、秘書であるコトを忘れてしまう…。




「ほら、行こうか――」


「うん、大好きだよ…?」


差し出してくれた大きな手を取ると、ニッコリ笑ってそう伝えたのだけれど。




「因みに俺は、愛してる…」


「ッ・・・」


ネイビーのストライプスーツに、爽やかなライトブルーのネクタイを締めて。



極めつけはホワイトムスクの香りと、柔らかな笑顔で煌々とする愛おしいヒト。





何よりも大切な貴方に、愛されて生きるという“願いをかなえて”貰えたね…?





        【終】