「着いたね…」


「う、うん」


ソコには、雑誌に掲載されていた時に、1度だけ見たことのある、写真そのものの8階建てのマンションがあった


「凄いね〜」


私達は石で出来た門をくぐり抜けて幽霊マンションの敷地内に足を踏み入れた


「平らな石ってドコにあるの?」


震えながら私に聞いてくる帆乃花


「わかんないよ」


私はリュックから懐中電灯を出して辺りを照らした


「あそこ、玄関じゃない?」


茉莉が指差す方向を見る


「行ってみる?」


「う、うん…」


相変わらず私の手にしがみつく帆乃花


私達はゆっくりと玄関に向かった